こんばんは
9日(木)慶応大学での講義は、一限しかも雨、出席を取らないという授業にもかかわらず、学部の学生さんはもちろん、学年を問わず学部外から、更に、学外からも(代ゼミの方から東大生、出版社、放送局関係、近所の主婦の方々、お父さん、などなど)たくさんの方がいらしていて、250名以上教室に集まっていました。
90分ぴったりに終わった授業の後も、藤田先生が慌てて教室を確保して下さるほどみんなの熱気が冷め遣らず、たくさんの方がもう一こま参加しての討論に移りました。
感想もたくさん寄せられ、そのコピーをいただいてきました。
今の若い人は響かない・・と言われがちですが、打つべき場所を間違わなければこんなに心が動くのだと、うれしく驚かされました。
みんなだって、何かを知りたかったんです。
ゼミの学生さんたちは、その後も熱く語り合っていたと藤田先生から教えていただきました。
昨日は、新宿のライブハウスオープンでのレゲエコンサートのなかで、山田征さんが御自身のお話しをする時間を削って、私にパレスチナ報告のための時間を作ってくださいました。
アフロヘアの人たちと暑く熱く時間を共有しました。
その後の音楽もよかったし、テキーラもおいしかった!
征さんが、カンパをくださったので、私はその半分のお金で征さんがお持ちになっていた劣化ウラン弾のビデオを2本購入しました。残りのお金は、今回の旅費の返済や、夏のパレスチナ行きの活動費に加えさせていただきました。
このメールは、その劣化ウラン弾についての情報です。
少し長くなるかもしれません。
劣化ウランとは、私たちが普段使っている電気を起こすために動いている原子力発電所で、電気を作るたびに排出される高濃度放射能を帯びた核廃棄物です。
それをアメリカが安く買い取り大量に作っているのが劣化ウラン弾です。
湾岸戦争の時に、アメリカ、イギリスを中心とする多国籍軍は、それを300tイラクに対して撃ち込んでいます。
そのためイラクは全土に及び放射能汚染にみまわれ、信じられない数の奇形児、癌患者が発生しています。
更に、当時前線にいたアメリカ兵、志願看護婦などの医療チーム、戦場処理を任されたアメリカ人達も甲状腺を犯されたり、奇形の子どもを産んだりしています。
何も知らされてなかったのです。
そしてその真実を知ろうとすればするほど、職を追われたり、暴行にあったりすることになります。
フィルムの中に、アメリカ兵を使って原爆を投下しその後の体の影響を極秘に調べていた実験の映像もあります。ペンタゴンにとって自国民の死や被爆も「経費」と表現している実態が明らかにされています。
広島や長崎も実験台でした。
ベトナムも。そしてイラクも。
そしてその威力が証明された後、さまざまな国がアメリカから武器を買い莫大な利益を得ていると、このビデオは語っています。
けれども、一度汚染された土地は、元に戻るのに45億年の歳月を必要とするそうです。
つまり私たちは、永遠に、この汚染された土地と向き合っていかなくてはならないのです。
これは、アメリカが行った、全人類に対する犯罪です。
コソボやパレスチナにも使われているということです。
劣化ウラン弾と湾岸戦争について更に詳しく知りたい方へ。
ビデオの背景解説で、日本語版政策委員会に加わっている阿部正雄さんが書かれている内容の全文を載せますので御参照ください。
(御本人とは先程電話でお話しし、ご了承いただいています。)
「湾岸戦争に至る経緯」−背景に中東地域の支配目指すアメリカー
湾岸戦争は何故起こったのか?
結局、世界の多くの人々にとって、あの世界を震撼させた湾岸戦争も、空爆とミサイル攻撃、それを迎撃する対空砲火の夜空を彩る花火に似たテレビゲームを見せられていただけで終わってしまったようだ。
そして当時は、これはイラクが隣国クウエートを侵略したために、アメリカを先頭とする多国籍軍によって懲罰されたのだと説明され、最初はイラク軍をクウエートから撤退させるという目的が、いつの間にイラクのフセイン政権の打倒に切り替えられていった。
しかし、ラムゼー・クラーク元米国司法長官の綿密な踏査に基づく名著『湾岸戦争――
今戦争はこうして作られる』(地湧社)によれば、あの戦争は、米国による湾岸支配のために
練り上げられたアメリカの長期戦略によるものであった。
クラーク氏はこの書の冒頭で「米国政府は、イラクがクウエートに侵攻したから湾岸戦争が起こったと主張する。・・・だが、米国の湾岸諸国へのかかわり合いを注意深く見てみると、湾岸戦争の主要な責任は、イラクにではなく米国にあることがわかる。この戦争は、イラクの最初の軍隊がクウエートに侵入するはるか以前から米政府により計画されていたのである。」
と喝破し、アメリカの犯罪的な策謀を見事に浮き彫りにしている。
では、アメリカがイラクを目の敵にする理由は?
それは、アジア、アフリカ、ヨーロッパの3大陸の結節点に位置するこの地域が、石油等資源に恵まれた戦略的要衝であり、とりわけ世界の石油埋蔵量の11%〜15%を持つイラクは古い歴史と多くの人材を要するアラブ民族主義を標榜する国として米英の植民地的野望に手強い国家であった。
イラクは1958年に、イギリスが樹立した王政を倒す共和国革命を達成し、1960年にはOPEC(石油輸出国機構)の創設に協力、1968年のバース党の革命に続いて、1972年にバース党は「アラブの石油はアラブのために」のスローガンの下、米英共同所有となっていたイラク内の石油会社を国有化し、1989年にやく9年の長期にわたるイラン・イラク戦争で軍事国家として勝ち残るなど、ほっておけば大国の覇権にとって「手におえない国家」に成長する恐れがあり、見過ごす訳には行かない存在となったのである。
とりわけ、パレスチナ解放運動などに力を尽すイラクは、中東地域でのアメリカの憲兵、イスラエルにとって最大の脅威として映り、イスラエルの拡張主義の野望にとって最も危険な国家として、イラク社会の破壊とその弱体化が米英の巨大な石油資源や軍需産業の日程に上ったのであった。
かくてアメリカは、イラクの軍事大国化のイメージ作りに目をつけ、クウエートなどに石油の大増産を
させて、イラク経済の再建を危うくさせて、その出兵を誘い込み、湾岸戦争が開始されるや、「油にまみれた水鳥」をマスメデイアに流して、史上最悪の環境破壊と大騒ぎしたり、「自国民のクルド人を化学兵器で殺す残忍なフセイン」など、捏造されたデマを国際的に振りまき、イラク悪玉論を加速させた。
ウソを真実に変化せしめる巨大なマスメデイア
しかし油まみれの水鳥の写真は、アラスカの海岸で写し取られたことがのちに判明
し、クルド人の
毒ガスによる殺戮についても、国連を始めあらゆる機関で確たる証拠はあがってない
にもかかわらず
結局圧倒的な西欧マスメデイアによって「ウソも百万遍つけば真実となる」と言う、ナチのゲッペルス宣伝相の作戦が、一人歩きしているありさまである。
イラクと闘うことに反対する議員もかなり多かったアメリカの両院議会で、イラクとの戦争を開始する
上で大きな力になったのは、イラク兵がクウエートの病院で保育器に入っていた幼児を床上に放り出して殺したと言うウソを、現場にいなかった駐米クウエート大使の娘の涙混じりの証言であった。
当時のブッシュ大統領も、真相を知っていながら、驚いた振りをして、この証言を10回もイラク糾弾に利用した。
――――全文を載せると書きましたが、睡魔に負けそうです。
続きはまた今度にします。ごめんなさい。
・中東の石油の所有者は米英の巨大石油資本?
・巨大な軍需、石油資本に操られるブッシュ政権・日本の湾岸地域からの追い出しも目標の一つ
・「祖国を批判するのは愛国者の義務」ラムゼー・クラーク氏の4つのテーマが残っています。
また、ビデオは、版権などの理由で、今は手に入らないそうです。
ご希望の方には、上映会などしてお見せしますので連絡下さい。
見るに耐えないものですが、知る必要があります。
知る権利もあります。
森沢典子 |