■レポート、雑感リスト  
「アメリカの良心」
 

こんばんは

今日は風が強く、空気が澄んでいるせいか空がとっても綺麗で、月が明るく見えます。
最近時間を見つけては、図書館で「アメリカの絵本黄金時代」について調べています。
今、アメリカ批判が高まっていく中、こういうところからアメリカの良心や豊かさを、私自身
もう一度味わいたくて・・・。
ワンダ・ガアグ、バージニア・リー・バートン、マリー・ホール・エッツ、
ロバート・マックロスキー、モーリス・センダック、E・ジャック・キーツ、
エリック・カール、ルードリヒ・ベーベルマンス、H・A・レイ・・・。
大好きな作家達の作品は、あらゆる手法で描かれ、底のほうから沸きあがる希望や、生き
る喜び、多様性を受け入れる懐の深さがあります。
そのしっとりとした豊かさは、何年経っても、そしてこれだけ次々に絵本が出版されても、子
ども達に愛され続け、新鮮さを失わない理由を教えてくれます。
そしたらなんだかうれしくなっちゃって、ついここに書いてしまいましたがこれについてはもう
少しまとまったら、そのうちまたメールしますね。
つまり、そんなことを考えていたら、パレスチナ子どもキャンペーンの大河内さんから次の
ようなメールをいただきました。
少し長いのですが、後半に出てくる「クシニッチ下院議員のスピーチ」は問題点をはっきりと
指摘、見つめながらも、やわらかい気持ちでいられて心の内側から『そっか、戦争なんかより
こっちのほうがいいや!』っていう形が見えてくる、そんなものでした。
よかったら読んでみてください。

                              森沢典子


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大河内です。(BCCで失礼します)

昨日お送りしたご案内に関連して、枝廣淳子さんからいただいた
メールニュースの一部をご紹介します。
NGOもブッシュ批判ができない状況ということは、テロ以降、2度ほど
アメリカでNGOや平和運動家と話す機会をもって実感しています。
来週、「NGOの評価とアカウンタビリティに関する研究会」の日米合同
ミーティングで4日間、現地のNGOと話す機会があるので、そこのとこ
ろをとくに訊いてみたいと思っています。
後半のクシニッチ下院議員の演説内容は、お時間がありましたら
ぜひご一読ください。
大河内秀人<hit@juko-in.com>
以下

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           Enviro-News from Junko Edahiro
No. 806 (2003.01.15)
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より抜粋
▼▽▼▽(ここから枝広さん)
あるMLで面白いサイトを教えてもらいました。

http://www.time.com/time/europe/gdml/peace2003.html

タイム誌のヨーロッパ版がオンライン投票をおこなっているのです。質問は、
「2003年の世界の平和に最大の脅威を与えているのはどの国でしょう?」
みなさんなら、どうお答えになりますか?(私も上記HPで投票してきました!)

現在の結果(投票数、116,366人)は、
北朝鮮 9.5 %
イラク 12.5 %
米国 78.0 %もうひとつ。「なぜ米国はイラクを攻撃したがるのでしょうか?」
(現在の投票数:8,766人)http://www.time.com/time/europe/forecast2003
サダム・フセインを武装解除するため  2.9 %
イラクの体制変更に影響を与えるため 7.5 %
イラクの石油を手に入れるため   85.1 %
世界をより平和な場所にするため    4.6 %『非戦』

(幻冬舎)を作ったメンバーが、9.11後情報交換をしていたときにも、
「なぜ米国はアフガニスタンを攻撃したがるのか?」がひとつのポイントでした。
『非戦』のなかで、メンバーの青山貞一氏が詳しく書いています。
環境総合研究所のサイトで、青山さんの「正当性なき米国のイラク攻撃」が読め
ます。ご興味のある方は、ぜひどうぞ。 http://www.eri.co.jp/
[No.560] などに書きましたが、9.11後、米国の環境NGOなどは、ブッシュに
対するあらゆる批判を引っ込めました。たとえば、
> また、米国の環境保護団体の草分けともいわれるシエラ・クラブも、公の場でブッ
> シュを批判するのをやめるよう、スタッフに指示を出しました。ブッシュに対す
> る批判ととられるテレビ、ラジオ、印刷媒体の広告、ウェブページを引き揚げて
> います。
という具合です。政治家をはじめ、国全体がそういう雰囲気(初めて攻撃された
ショックによる麻痺状態)だったのでしょう。
今回の対イラクに関しては、ここ数ヶ月、米国内でも異論や反対の声が大きくなっ
てきている印象です。以下は、オハイオ州選出の下院議員デニス・クシニッチ氏
が、1月5日にクリーブランドでおこなったスピーチ。
転載歓迎という他MLから引用します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

デニス・クシニッチ下院議員の演説(訳・森田玄)
 私が描くアメリカとは、単独行動主義の代わりに世界調和を求める国であり
ます。最初に攻撃するのではなく、最初に手を差し伸べる国。世界のひとびと
の重荷を軽くするために努力する国。援助を乞われたら、爆弾ではなくパンを、
ミサイルではなく医療援助を、核物質ではなく食料を分配するのがアメリカな
のです。
アメリカには世界での役割があります。それは世界の国々と協力して世界各国
の平和を達成することです。それは、不拡散条約の約束をもとに戻し、率先し
て核兵器全廃に向うことです。国際秩序を確保する手助けをすること。
国際条約を補強し、順守すること。生物化学兵器と地雷の管理と最終的には撤
廃を保証すること。炭素排出削減のため世界各国と協力して地球の気候を保護
することです。
アメリカは世界を守る助けをできます。世界を救う助けができます。しかし、
世界を管理することはできないし、私たちもそれを望むべきではありません。
しかし私たちの政府はアメリカのパワーを支配するために使おうとしています。
その国家安全保障の方針では、アメリカは世界のどこでも好きに攻撃でき、
最初に核兵器を使えるとしています。
 
我が国は今やイラクへの戦争を国をあげて行うとしています。
イラクはアメリカに対していかなる敵対行為をしていません。
イラクは9月11日のテロ攻撃には責任がありません。
9月11日テロ攻撃でイラクとアルカイダを結び付ける信用できる証拠は何も
ありません。炭疽菌事件にイラクは責任がありません。
イラクが使用可能な大量破壊兵器を保有しているという証拠を国連は未だ確認
していません。イラクがアメリカを攻撃できる能力があるという証拠は何もあ
りません。
CIAによれば、イラクはアメリカを攻撃する意志はないが、もし攻撃されれ
ば反撃すると言っています。
 
それでは何故、我が国は30万人もの我が若い男女をバグダッドやバスラの市
街戦に送り込もうとしているのでしょうか。
なぜ我が国は、イラク破壊のために2000億ドル以上の、汗水たらして私た
ちが稼いだ税金を注ぎ込もうとしているのでしょう。
なぜ我が国は、歴史上かつてないほど強力な軍事力でイラク国民を攻撃し、
彼らの家やビルを破壊し、水道や送電施設を壊滅し、彼らの食料や医療品の補
給を絶とうとしているのでしょう。
 
その答えは、石油経済、兵器輸出の利益、歪んだ帝国建設主義を抜きには考え
られません。
 
イラクとの戦争は間違っています。しかしもし、イラクとの戦争に突入すれば、
私たちはこの国で平和の種を蒔き始めなければなりません。
私たちは立ち上がり、声を上げ、仲間をつくり、デモに参加し、戦争反対を要
求し、戦争を肯定する政府を止めさせるよう求めなければいけません。
 
私たちがこの戦争に反対することは緊急な問題です。
それは国家の優先事項を無視するでしょう。
社会保障制度を危うくするでしょう。医療制度を危うくするでしょう。
老人への医療補助を危うくするでしょう。
アメリカがすべての人に仕事や健康医療補助、教育を与えることを危うくする
でしょう。
 
戦争について政府に批判的なことは非愛国的だと信じる人たちがいます。
その人たちは政治的には経済問題を論じた方が利口だと思っています。
しかし、戦争を国家予算から分けて、戦争を経済から分けて、戦争を国民の
生活必需品を供給する能力と分けて考えられるでしょうか。
 
私たちは質問する必要があります:
 イラクの無実の人々の健康と生活を破壊するのに何千億ドルも使うのに、
 なぜアメリカ国民全員に健康医療補助をできないのか。
 アメリカはサダムフセインを引きずり下ろすのに何千億ドルも使うのに、
 なぜ自分の国民の退職保険を保護する金がないのか。
 
 イラクのユ−フラテス川の橋を爆破する金をアメリカにはあるのに、なぜこ
 こクリーブランドのクヤホガ川に橋を建設する金がないのか。
 
アメリカがとるべき道は繁栄を導くような平和です。それは経済システムが
健全で、基本的な生活環境や人間の価値を保障するような平和構造を理解する
ことです。
 
これが平和省の夢です。それによって、アメリカが私たちの社会で非暴力を
基本的原則にする第一歩を歩むことができるのです。
マーティン・ルーサー・キング牧師の仕事を現実にすることができるのです。
そして戦争自体を過去の物にできるのです。
 
この平和希求と平和創造の倫理によって私たちは宇宙から兵器を降ろし地球に
新しい可能性溢れる天国を創造する仕事を始められるのです。
平和と繁栄が新生アメリカの2つの柱になるべきです。それが国家の目的とし
て我が国民の経済と社会の安定をもたらし、そして他の国々の経済と社会の発
展をもたらすのです。
この国民の目的を確認することはフランクリン・ルーズベルトとニュー・ディー
ル、リンドン・ジョンソンと偉大なる社会、ジョン・F・ケネディとニュー・
フロンティアの夢でした。
これは今後も私たちの夢であり続けるでしょう。
そして、どのような暗いときになっても、私たちはアメリカの目的の灯りをさ
らに高く掲げ続けるべきです。それがワシントンやジェファーソン、アダムズ
からリンカーンを経て今日までの時代を通して訴えている私たちの使命なので
す。
私たち国民は、9月11日の暗黒日やそれに対する政府の対策にもかかわらず、
常により高い使命感を持って来ました。
それは危機の時も平和の時も、民主主義への探究と、自由と公正への探究を維
持する使命感です。そのより高い使命感を私たちは感じることができます。
そのより高い使命感が私たちの遺産です。フランシス・スコット・キーの言葉
がいまだに響いています:
 『自由の土地と勇気あるものたちの家の上に、星条旗は未だはためいている
  だろうか?』
 
この中で彼は自由と勇気との結びつきを祝福しています。民主主義の中に生き
るには勇気が必要だと。テロリストに立ち向かい、基本的自由を守るには勇気
が必要です。
世界の兵器廃絶に向って進むには勇気が必要です。一方でそれが曲げられ破壊
をもたらしています。
 
世界の独裁者に対して、彼らを爆弾で黙らせたいという誘惑を抑えて交渉する
には忍耐が必要です。
大きな力を持ちながら世界でそれを優しく使うには知恵が必要です。
そして生存を賭けて、厳しい生活環境や抑圧的な政府のもとで自己のつましい
生活を送ろうとしている世界の人々の苦しい状況を理解するには、思いやりが
必要です。
 
みなさん。これはあなたの政府です。その運命をどのように描くのかあなた方
には発言する権利があります。
その権利は私たちの独立宣言から導かれています。
それは自己統治を基本的な権利としました。政府はワシントンDCだけで起きる
のではありません。それは何千という市、町、村で起きるプロセスの結果です。
それはまた、私たちの心に起きるプロセスでもあり、それが国土への愛やお互
いの愛によって生まれるのです。
私がこれらの希望や夢を遂行できるのはみなさんの愛からです。
それを勇気を持って将来に向けてやっていくつもりです。
ありがとうございました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

聞いていた一般の人々はどう反応したのか、知りたいですね・・・。
9.11のときには、ブッシュ政権に「白紙委任状」を与える議案に反対票を投じた
のは、たったの一人でした。バーバラ・リー議員。420対1。リー議員はその後、
「殺してやる」という脅迫に曝されて、ボディーガードに守ってもらっていると
いうことでしたが、今回は、彼女一人ではないようで、アメリカに残る良識にほっ
とする思いがします。
 
 
森沢典子

 
midi@par.odn.co.jp