■コラム
 
ラファ緊急支援のお願い
 

みなさん、こんにちは。
これまで何回かにわたってお知らせした、パレスチナ、ガザ地区ラファでの
イスラエルによる侵攻と家の破壊について、UNRWA(国連難民救済事業機関)が1,580万ドルの支援を緊急に要請するアピールを出しました。
詳しい状況をお伝えする前に、事務的なことですが、支援金の入金方法について連絡をさせてください。

日本からUNRWAへお金を届ける方法として、りそな銀行を通して入金することが可能なのですが、今確認したところ入金のたびに4000円以上の手数料がかかってしまい、その件についてはUNRWAが交渉中ということです。

なので、私の口座に入金していただいて、まとめて送金することにしました。
振込みをしていただく際、ご自身のお名前を入力しなおすことができます。
その時にお名前の最後に「ラファ」とカタカナで入れてください。

操作がややこしいという方は、メールまたは、ファックスで入金したことを
お知らせくださっても結構です。(必ずお知らせください)

<振込先>
UFJ銀行浦安支店
普通1173530
モリサワノリコ
Mail: midi@par.odn.ne.jp
ファックス
047−352−5538

これまでも、あまり大々的にお金を集めるような呼びかけはしませんでしたが、それでも、メールを読んでお金を振り込んでくださったり、知人とオークションなどをして売上金をとどけてくださったりして、これまでにUNRWAだけで、短期で集まった1540ドル届けることができました。
(今回UNRWA が必要としているお金のちょうど1万分の1くらい)

※この2年間報告会などでお預かりした支援金は上記も含めて70万円に上り、その全てをUNRWA のほかにも、現地の病院やNGOなどに、現金、薬、絵本などとして、届けることができましたが、今回呼びかけて集まったお金は、使用目的をラファの家屋破壊の緊急支援に限定します。
お顔も見えない方たちに、呼びかけてお金を集めることや、お金を集めるためだけに文章を書くことに、自分自身戸惑いや後ろめたさがあります。
私は何をやっているんだろう?
お金ってなんだろう?って思うこともあります。

しかも、イスラエルが家を壊し、そこへ私たちが支援して、家を失った人々がそこから離れて、もっと安全な場所に移動して家を建てることができたとしても、それまで過ごした空間は失われ、もともとの家があった破壊の現場は、彼らの思い出や記憶ごとイスラエル軍に奪われ、イスラエルの土地として取り込まれていくわけです。
それは、イスラエルが建国を決心したときから、ずっと繰り返されてきました。

パレスチナの人々の未来に投資しているとは言えませんし建設的な支援ともいえないのかもしれません。
「イスラエルの尻拭い」とも言えます。

でも、遠くにいる私たちが遠くなりに事情を知ろうとして、痛みを共有し、その結果、支援という形ででも、世界中から反応が集まっていくことは、パレスチナの人々の小さな希望となるだけでなく、イスラエルへの大きなプレッシャーともなります。
全てを止めることができなくても、確実に抑止になります。

家を破壊され、住む場所を奪われた人2万1142人・・・だそうです。
あの、狭いラファの地域だけで(5月30日現在)
わけわかんない・・・・・

ラファに何度も視察に訪れて、状況を伝えてくれている
安藤さんの報告より。

「 家屋破壊の規模を図るのは破壊された家屋の数字ではなくて、一人一人の個人に降りかかる災難です。一戸一戸の家にストーリーがあり、長年お金を蓄え建てた人生の集大成であったり、家族の集まる場であり、そこに住む一人一人の思い出が凝縮している場所を、ブルドーザーで瞬時に壊してしまう、などということは、一軒たりともあっていいはずがありません。
 ましてや事前の通知も荷物を持ち出す時間も与えずに壊してしまい、補償することもなく壊しっぱなし、というのは、中に住んでいる人を同じ人間と考えることができない人たちの仕業に思えてなりません。」
(直美さんがガザから届けてくれた写真です。)
http://www.onweb.to/palestine/siryo/rafanakba2jun04.html


森沢典子

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ガザより UNRWA に勤める安藤直美さんからさっき届いた手紙と
UNRWA の緊急アピール
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ラファでは昨日深夜、ボーダー沿いフェンスからイスラエルの戦車が何十台もブラジル、ブロックO地区にまた移動し、そこでは銃撃やアパッチの旋回の音が激しく、ブルドーザーによる土地ならしも行なわれていた、という報告が今朝入っていました。

UNRWAが一昨日、国際社会(ドナー国…日本は主要ドナーの一つ)に向けて、ラファの危機的状況への対処としての補足アピール(昨年末に出した2004年の緊急アピールへの補足)を発表しました。

個人の感覚からすると求めている支援額の桁が大きく感じるかもしれませんが、イスラエルの侵攻による被害によって、その回復にはこれだけの金額が必要とされている、、という参考にしてください。
拙訳の後に、原文(英語)の順でご紹介します。

安藤

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UNRWAプレスリリース 5月31日

UNRWA: ラファの危機的状況に対して1,580万ドルの支援をアピール
エルサレムー 国連パレスチナ救済事業機関(UNRWA)は、本日国際社会に対して、ラファの人々の緊急的ニーズに応えるため1,584万ドルの支援を求めました。このアピールはインティファーダが始まって以来、ガザにおいて、数週間に続くもっとも激しい破壊の後に発表されました。

 UNRWAは家を失った何百もの家族、稼ぎ手が死傷した家族、継続した医療ケアの必要な家族に対して現金、食料、住居などの緊急支援を行なうための資金を必要としています。

 このアピールの下、UNRWAは最近のイスラエルの侵攻の被害に対処していくための緊急的支援を必要としている760家族に対し現金支援を行なう予定です。UNRWAはほとんどの人々が支援を信頼して求めることができる唯一の存在です。UNRWAはこの現金支援プログラムのために22万8千ドルの資金が必要としています。

 この760家族のうち、約560家族がUNRWAの緊急シェルター計画における家屋再建の機会を受けることができます。彼等は当座の間、住居を借りる資金が必要になります。このために67万2千ドルが必要となります。

 また長期的にみて、UNRWAは新しい家屋を建設する資金が必要になります。UNRWAでは、これらの家族が恒久的に住むための家屋建設に1,150万ドルが必要と見積もっています。この金額は侵攻時に様々な度合いで破損を受けた244家屋の修繕費用も含まれます。

 5月30日時点で、ガザ地区において家を失った人は2万1,142人にもなります。現在に至るまでUNRWAが新しい家屋を提供することができたのはその三分の一にも及びません。ガザにおいて依然シェルターを必要としている人々のための家屋再建を実施するために、UNRWAは3,850万ドルを必要としています。

 UNRWAは現在ラファの三つの学校に避難している約2,500人の人々に食料を配給しています。この食料配給を最低でもあと2ヶ月続けるために、また家を失った人々に日用品を提供するためには、84万2,000ドルが必要です。さらにラファにおけるUNRWAの医療品の在庫を補填し、また車イスや義肢を負傷した難民に提供するために、あと11万ドルが必要です。

 UNRWAはこのアピールにおいて、上下水網やその他のインフラ施設への破壊によって深刻な衛生環境の危機に晒されているラファのタルエッスルターン地区の破損したインフラ修理の資金についても呼びかけています。このアピールにおいてインフラ施設修繕のための金額は約92万8千ドルとみています。また、UNRWAの緊急支援の運営費用を賄うために、別途資金が必要です。

 今回のアピールの発表にあたり、UNRWAのピーター・ハンセン事務局長は「ガザ地区において最も打撃を受けた場所でありながら、支援を求める先は数多くありません。ラファは常に貧しい場所でした。そして今では荒廃した場所ですらあります。何百もの貧窮家族が、この非常に深刻な人道的危機に対処するために支援の手を差し伸べているUNRWAや国際社会に頼っています。」と述べました。

 ラファにおいて影響を受けたほとんど大多数はUNRWAに登録がある難民です。UNRWAは国連機関、NGO、パレスチナ各省庁で構成する活動調整グループの議長であり、ガザ地区におけるほかの主要な救済グループと調整してこのアピールをとりまとめました。


UNRWA Press Release 31 May 2004
UN Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East-
Headquarters Gaza
website: www.unrwa.org
Press Release No. HQ/G/17/2004
31 May, 2004
UNRWA Launches $15.8 Million Crisis Appeal for Rafah
Jerusalem – The United Nations Relief and Works Agency for Palestine
Refugees (UNRWA) today launched an appeal to the international
community for $15.84 million to meet the immediate needs of the
people of Rafah. The appeal follows weeks of the most intense
destruction in Gaza since the start of the intifada.
UNRWA needs the funds to provide emergency cash, food and housing
assistance to the hundreds of families who have lost their homes,
had a breadwinner killed or wounded, or who are in need of ongoing
medical care.
(全文はこのサイトに)

The text of this press release is available at
http://www.un.org/unrwa/news/releases/pr-2004/hqg17-04.pdf
Also visit
http://www.un.org/unrwa/emergency/appeals/rafah_appeal.pdf
to get the full text of the Supplementary Appeal for Rafah

以上

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次はナブルス通信からの抜粋です。
ずっとメディアチェックを行い、情報を発信してきてくれた
ナブルス通信の鬼編集者ビーさんが、ラファの状況に関して
とうとうマジギレして書いた渾身の記事です。関西弁も炸裂してます。
彼女の記事からは、パレスチナで起きていることは、昨日爆発が
あったとか侵攻があった・・・と出来事だけを単発で見ても、何だか
よくわからないけど、ちょっとでも冷静に、少し遠目で、一貫して事態を
追えば、イスラエルの目指すものが一貫して見えてきて、それを正当化
するためにいかにコメントが一貫していないか、よくわかります。

森沢典子

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     ○○○ナブルス通信 2004.6.2号○○○
      http://www.onweb.to/palestine/       
◇contents◇
「軍が戻ってきたラファ」 編集部・ビー・カミムーラ
◇軍が戻ってきたラファ
◇プレイバック「レインボー作戦」
◇こんなこともあった、ラファ
◇最後に 
(この号の全文はこちら)
http://www.onweb.to/palestine/siryo/rafanakba2jun04.html
――――――――――――――――――
http://www.pchrgaza.org/images/2004/rafah_05/7.htm
(30日のブロックJの写真。

☆「ラファ、5月の虐殺」の統計的事実

5.13-24 にラファで起こったこと(パレスチナ人権センターによる)

・56名が殺された(うち、45名が民間人。そのうちの10人が子ど
 も)。負傷者は最低200人にのぼる。
 
・220軒の家が全壊。140軒が部分的破壊。家を失った人は821家
 族、4847人。
 
 [UNRWAの発表では、18〜23日までの間に45軒が破壊され、575
 人が家を失ったとある。5月だけで、この時点までには、155軒、
 1960人がラファで家を失った。数値の違いは、基準の違いによる。
 おそらくUNRWAは文句のつけどころがない、かなり厳しい基準を用
 いていると思われる。家が建っていても、住めない状態になっている
 人もいる]
 
・最低700ドゥナムの農地がずたずたにされ、46軒の商店、モス
 ク、墓地、インフラが破壊された。[1ドゥナム=1000平方メート
 ル]
 
 UNRWA発表では、ガザ地区だけでこの5月末までに家を失った人は2
 万1442人。(2000年9月以来)☆動物園の破壊とブラジル地区
http://www.onweb.to/palestine/siryo/rafa-zoo.html
「駝鳥もホームレスになった」 マーク
(通信で送っていない分の翻訳文章です)
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◇最後に
ラファの破壊はこの5月に突然、始まったわけではない。2000年の9月
からずっと継続的に行われてきたことだ。
http://www.onweb.to/palestine/siryo/onedayinrafah.html
「ガザでの「地獄」の一夜」 2003年3月の文章
http://www.onweb.to/palestine/siryo/nab-sj31dec03.html
「静かな<ジェニン>──ラファでゆっくりと進行している虐殺」
2003年12月の文章
http://www.onweb.to/palestine/siryo/nab-sj31dec03.html
やっと出た水曜のラファの写真記事:
http://news.search.yahoo.com/search/news/?p=Rafah&c=news_photos&n=50&ei=UTF-8
(上記の学校で撃たれた少年の写真、血塗れになった教室の写真なども
出ています。今のところ、新たなラファ侵攻についての単独の記事は配
信されていません)
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※「ラファ、5月の虐殺」についての経過は
「パレスチナ情報センター」topにまとまっています
http://palestine-heiwa.org/
(募金、動画、その他の情報豊富)
※ラファについての総合情報:
「特集:絶え間ない攻撃にさらされる街、ラファ」 
http://palestine-heiwa.org/rafah/index.html
※ガザ地区の地図
http://www.palestinercs.org/images/Maps/gazamaplg.jpg
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◇どうか、イスラエルに声を届けてください
・参考になる文例と送り先は
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/palestina0405.html
・米国・国務省へのサンプル・レター (以下の下の方に)
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/palestina0405c.html
(上記のメイン内容は、ラファのデモへの攻撃を記録したフォトストー
リーです。途中、かなり生々しい写真があることにご留意ください)
・米国にイスラエルへの軍事支援を止めるよう働きかける要請署名
http://www.stop-us-military-aid-to-israel.net/petition/
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midi@par.odn.co.jp